フレンチトーストが、ただのトーストだった話。フィリピンで学んだ「解決したらOK」の考え方|るるた第二話

こんにちは、るるたです。

フィリピンのマニラから、日々の暮らしのあれこれをお届けしています。

今回は、フィリピンに来て3〜4年くらいの頃に経験した、ちょっと面白いレストランでのお話です。

フレンチトーストを頼んだら、普通のトーストが出てきた

ある日、日本人の知人たちとお昼を食べに行きました。

その中の女性が、フレンチトーストを注文したんです。

しばらくして、若い女性の店員さんが料理を持ってきました。

「フレンチトーストです!」

ところが、どう見ても普通のトースト。

フレンチトーストといえば、パンを卵やミルクに浸して焼いた、しっとりした料理ですよね。

でも、出てきたのはカリッと焼いたパン。ちょっと甘いけれど、明らかに違います。

そこで注文した女性が、

「これ、フレンチトーストじゃないと思うんだけど。ちょっと確認してくれる?」

とお願いしました。

ところが店員さんは、

「いえ、これはフレンチトーストです」

と自信満々。

もう一度確認してもらっても、答えは同じでした。

「やっぱりフレンチトーストです。どうぞ!」

うーん。フィリピンでは、これがフレンチトーストなのかな?

なんて言いながら、仕方なく食べ始めました。

「これはフレンチトーストじゃありません」

しばらくして、マネージャーらしき男性が近くに来たので、聞いてみました。

「これ、フレンチトーストを頼んだんだけど、違うんじゃない?」

すると、その男性はあっさり、

「あ、これはフレンチトーストじゃありません」

おーい!

やっぱり違うんじゃないか(笑)。

「すぐに持ってきます」

ということで、さらに10分ほど待つことになりました。

そして今度は、ちゃんとしたフレンチトーストが登場。

持ってきたのは、最初に「これはフレンチトーストです」と言い張っていた、あの女の子の店員さんです。

普通なら、

「すみません、間違えていました。お待たせしました」

くらい言うのかな、と思いますよね。

ところが彼女は、満面の笑顔で、

「はい、マーム! This is French toast! Enjoy!」

おーい!

Enjoy!じゃないよ(笑)。

あれだけフレンチトーストだと言い張っていたのに、どうしてそんなに嬉しそうなんだ、と。

でも、後から考えると、これがなかなか面白いんです。

結果として、ちゃんとしたフレンチトーストが届いた。

しかも美味しかった。

だから彼女としては、

「ちゃんとフレンチトーストが来たよ! 良かったね!」

という感覚だったのかもしれません。

謝るというより、一緒に喜んでいるように見えたんですね。

問題を起こした本人が、解決して大喜び?

フィリピンで長く仕事をしていると、似たような経験をすることがあります。

例えば、会社で書類の提出が遅れてしまったとします。

そのせいで政府機関からの承認が間に合わず、ペナルティが発生するかもしれない。

すると担当の社員が、

「Sir、大丈夫です! 私が頑張って解決します!」

と言って、一生懸命対応してくれる。

そして、なんとか承認を取ってきて、ペナルティも回避できた。

「Sir! 大丈夫でした!」

と、満面の笑顔で報告してくれるんです。

いやいや、ちょっと待って。

そもそも書類を出すのが遅れたから、この問題が起きたんじゃないの?

まずそこを改善しようよ、と。

自分で問題を起こして、自分で解決して、

「ほら、私すごいでしょ!」

と言われても、日本人的にはちょっとマッチポンプに感じてしまいます。

でも、そこで原因ばかり指摘すると、

「こんなに頑張ったのに、Sirは全然分かってくれない」

となってしまうこともあるんですよね。

原因を追及する日本人、解決を喜ぶフィリピン人?

もちろん、すべての日本人やフィリピン人がそうだという話ではありません。

ただ、僕自身が長くフィリピンで暮らし、仕事をしてきた中では、こうした考え方の違いを感じる場面がありました。

フィリピンでは、何か問題が起きても、必ずしも担当者だけが悪いとは限りません。

突然の大渋滞。

なかなか進まない行政手続き。

何人ものサインが必要な書類。

日本では想像しにくいような理由で、物事が予定通りに進まないこともあります。

だから、個人の責任を追及するだけでは、どうにもならない場合もあるんです。

もちろん、原因を調べて、次から同じことが起きないように改善することは大切です。

でも、それと同時に、

「今回は頑張って解決できたね。良かったね!」

と、一緒に喜ぶことも大切なのかなと思うようになりました。

日本の常識だけが正解ではない

日本人は、問題が起きると、

「なぜこうなったのか?」

「誰に責任があるのか?」

「再発防止策はどうするのか?」

と、原因を徹底的に調べようとする傾向があるように思います。

もちろん、それは日本の仕事の品質を支えてきた大切な考え方でもあります。

でも、

「日本だったらこんなことはありえない」

「日本ではこうするのが当たり前だ」

と言っても、ここはフィリピンです。

僕ら日本人は、こちらに住ませてもらっている外国人でもあります。

だから、日本のやり方だけを押し付けるのではなく、こちらの考え方を理解することも必要なんですよね。

僕自身も、昔に比べると、何か問題が起きたときに個人を責めることはだいぶ減りました。

まずは、なんとか問題を乗り越える。

そして、

「次はこうした方がいいね」

と、少しずつ改善していく。

最近は、そんな感じで考えるようになりました。

最後に

あの日のフレンチトースト。

最初に出てきたのは、どう見ても普通のトーストでした。

でも、最後にはちゃんとしたフレンチトーストが届いて、店員さんも満面の笑顔。

今となっては、なんだか微笑ましい思い出です。

問題が起きたことを怒るより、解決できたことを一緒に喜ぶ。

そんな考え方も、悪くないのかもしれませんね。

ということで、今回はこの辺で。

るるたでした。

ではでは。

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